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憲法第96条の発議要件

今時、憲法改正よりも、社会保障をどうするか
(国民年金法2004年改正による「100年安心の年金制度」は、
抜本的な見直しが迫られて、国民会議によって議論する
ということになったはずなのですが。。。)、あるいは
財政健全化をどうするか、もっと僅々にやるべきことが
山ほどあると思います。

しかし、ここまで憲法改正すべきだと騒がれて、黙って
見過ごすわけにもいきませんので、書くことにします。

最初に手をつけるべきものとして、憲法改正に必要な
発議要件、すなわち、各議院の総議員「3分の2」を
「2分の1」にすることが主張されています。

しかしなぜ憲法改正の発議要件が、法律の議決要件
(出席議員の過半数で原則、両議院で可決)よりも
厳格なのか―。

いわずもがな、憲法は、個人の尊厳(13条など)をはじめ
普遍的な価値を定めた法典であり、それが一時の多数派によって
踏みにじられることのないように、ということです。

それが日本国憲法が硬性憲法たるゆえんです。

今回の改正についての理由は、国民の半数以上が憲法を
改正したいと思っても、議員の3分の1が反対すると、
発議ができないのはおかしい、というものです。

一見、正しいことを言っているようですが、
次の2点から、けして正しい理屈ではない。

第一に、今の選挙制度、とりわけ衆議院議員選挙では
小選挙区(1つの選挙区から1人の議員を選出させる制度)が
導入されており、国民の中における多様な意見が、
そのまま議席数に反映されるわけではありません。

先の衆議院議員総選挙で圧勝した自民党を例にとってみると、
得票率は、小選挙区43・01%。比例代表は27・62%
議席数は、小選挙区237人(79%)、比例代表57人(31.6%)
だそうです。
しかも、全体の投票率は59.32%で戦後最低。

有権者全体のうち、自民党を支持した割合は、
小選挙区で25・51%、16.38%となります。
これで国会における絶対安定多数(269議席)を上回る
294議席を獲得しています。

このように国会における多数派=国民の多数派とは
必ずしもいえない現状の制度の下で、日本国憲法が
硬性憲法である意義は、白票を投じた国民、あるいは
国会での少数派を支持した国民にとって、より重要性を
増しているといってよいでしょう。

国会における多数派の形成が容易な制度の下において、
一時の多数派の意思で簡単に憲法改正を発議できるように
すべきではないと考えます。

第二に、国民の意見を反映できるようにするというフリ
だけで、真剣に国政に反映しようと思っていないことが、
様々な点から明らかであること。

たとえば、先の総選挙において、TPP反対で農協などから
支持を取り付けて当選した自民党議員が多数いらしたはずです。
ところが今、TPP反対を唱える自民党議員は、ほとんど
目にしません。

また、先の民主党政権において行われた、エネルギー政策に
関する国民的議論。

 ・意見聴取会
 ・エネルギー・環境の選択肢に関する討論型世論調査
 ・マスコミによる世論調査
 ・パブリックコメント(意見公募手続)

こららの複数の手段によって国民から意見が聴取され、
有識者が検証して、「少なくとも国民の過半が
原発ゼロを望む」とまとめられました。

しかし、政権交替によってエネルギー政策はゼロベースで見直す
ことになり、新しいエネルギー基本計画に向けた意見募集
がなされています(税金の無駄遣いとはこのことでしょう)。

今回の憲法改正論議で言われる主張に、「国民の手に憲法を
戻す」というのものがあります。

軽い口先に騙されるほど、国民はバカではないと
声を大にして言いたいと思います。


5/2追記
「国民の手に憲法を戻す」というのであれば、憲法96条が要求する
国民の過半数の同意について、有効投票数の過半数ではなく、
有権者の過半数にする、あるいは、最低投票総数を設定する
などの措置が先ではないかと考えます。
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テーマ : 行政書士試験 - ジャンル : 就職・お仕事

コメント

No title

鋭い切り口ですね。
とても勉強になります。
ありがとうございました。

こんにちは

居眠り野郎さん、コメントありがとうございます。
コメントの承認が遅くなってすいません。居眠りしてました(苦笑)。
またどうぞ遊びにいらしてくださいね。

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