成年被後見人に選挙権~公職選挙法改正

成年被後見人については、これまで当然に選挙権・被選挙権が
剥奪されていましたが、5月27日に公職選挙法が改正され、
成年被後見人も選挙権及び被選挙権を有することになりました。

今回の改正の契機となったのが3月14日の東京地裁
判決です。

ここで、成年被後見人に選挙権を付与しないとした
公職選挙法は憲法違反だ断じられてから、改正まで
実に早かった。

判決をつまみ食いしてみると…

・議院を選挙によって選定する国民の権利は、
 国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利として、
 議会制民主主義の根幹を成すものであり、
 一定の年齢に達した国民のすべてに平等に与えられる
 べきものである。
    ↓
・憲法の諸規定(前文、1条、43条1項、15条1項、3項、
 44条但書など)に鑑みれば、国民の選挙権またはその行使を
 制限することは原則として許されず、制限するには
 「やむを得ない」と認められる事由、すなわち、
 そのような制限をすることなしには選挙の公正を確保しつつ
 選挙を行うことが事実上不能ないし著しく困難であると
 認められる場合に限られる。
 (…ここまでは在外邦人の選挙権に関する最高裁と同じ)
    ↓
・後見開始の審判の際に判断される能力は、「自己の財産を
 管理・処分する能力」の有無であり、選挙権を行使するに
 足る能力とは明らかに異なる。
 (ニュースによると、原告の方は親族がより保護できる
 ようにということで、成年後見審判を受けたという
 事情があったようです)

    ↓
・様々なハンディキャップを負う国民も、本来、我が国の
 主権者として自己統治を行う主体である。
    ↓
・成年後見制度は、自己決定の尊重、残存能力の活用及び
 ノーマライゼーション(障害のある人も通常の生活を
 できるような社会を作る)という理念に基づいて設けられた
 ものであることからすると、選挙権を行使するに足る能力を
 有する成年後見人から選挙権を奪うことは、成年後見制度の
 趣旨に反するとともに、国際的な潮流にも反する。
    ↓
 公職選挙法は違憲!


これを受けて今回、成年被後見人に選挙権を付与しないとした
規定を削除したわけです。

その上で、「心身の故障その他の事由により自ら公職の候補者の
氏名等を記載することができない者」について代理投票させることが
できるとしました。

ここで問題となるのが不正選挙の防止です。
一昔前、特別養護老人ホームの入所者の不在者投票・代理投票を
不正に利用された事件がありましたね。。。

今回の改正では、代理投票における補助者は、投票管理者が
「投票所の事務に従事する者のうちから」定めるものとし、
不在者投票管理者は、市町村の選挙管理委員会が選定した者を
投票に立ち会わせることなどによって、不在者投票の公正な
実施の確保について努めなければならないと規定しています。

公職選挙法は、総務省の所轄ということで、一般知識対策としても
押えておきたいところです♪

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