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続・非嫡出子相続分差別違憲判決

前回の続きです。

今回の決定で驚いたのは、これといった違憲審査基準を
定立せずに立法事実を詳細に検討していることです。

ちなみに合憲とした前回の大法廷では、①立法理由に
合理的な根拠があり、かつ、②その区別が右立法理由との
関連で著しく不合理なものでなく、いまだ立法府に
与えられた合理的な裁量判断の限界を超えていないか―
で判断されていました。

今回の決定では、前回同様、相続制度が国の伝統、社会事情、
国民感情、婚姻・親子関係に対する規律、国民の意識等を
総合的に考慮して立法府の裁量によって定められるものである
とした上で、嫡出子と嫡出でない子との間で生ずる
法定相続分に関する区別が,立法府に与えられた裁量権を
考慮しても
,そのような区別をすることに合理的な
根拠が認められるかどうか
―これだけです。

ここで見逃せないのが、前回のように「著しく不合理なもの
でないか」ではないこと。

著しく不合理でなければ立法を尊重しましょう、ではなく、
その「合理性については,個人の尊厳と法の下の平等を定める
憲法に照らして不断に検討され,吟味されなければならない」
として、かなり立ち位置が変化しています。

そして、そのような立ち位置から、下記の立法事実が詳細に
検討されました。

・社会の動向
・我が国における家族形態の多様化や国民の意識の変化
・諸外国の立法のすう勢
・我が国が批准した条約の内容とこれに基づき設置された
 委員会からの指摘
・嫡出子と嫡出でない子の区別に関わる法制等の変化
・これまでの判例における度重なる問題の指摘等
   
判例は、これらを「総合的に考察すれば,家族という共同体の
中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らか」
であるとし、また、「父母が婚姻関係になかったという,
子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由として
その子に不利益を及ぼすことは許されず,子を個人として尊重し,
その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきている」
として、違憲判断をしています。

旧国籍法3条についての違憲判決でも見られたように、
その人の努力によっては如何ともし難い事柄に基因する
取り扱いの違いについては、最高裁も「合理性」を厳しく
判断するようになったということができると思います。

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